COPDについて
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、長い年月にわたり有害なガスを吸い込むことで、空気の通り道である気道が狭くなったり、気道の先端にある肺胞が壊れたりすることで、せきや痰、息切れなどといった症状を引き起こす疾患です。以前は慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれていました。とくに、タバコの煙を長期間にわたって吸い続けてきた中高齢の方によくみられます。喫煙習慣が大きく関わっているため、生活習慣病のひとつと考えられています。なお、喫煙以外にも、大気汚染や化学物質を長期間吸引することが原因となって発症することもあります。
このような症状の方は当クリニックをご受診ください
- 慢性的にせきが続いている
- かぜを引くとせきが長引きやすい
- 粘り気のある痰が出る
- 軽い運動でも息が切れる
- 坂道を登るのがつらい
- 呼吸時にゼーゼー・ヒューヒューという音が漏れる
- 少し歩いただけでも呼吸が乱れる
- せきが出ると止まらない
- 立ち仕事などがつらくなってきた
- 体重が減ってきた
など
COPDの主な治療
COPDの患者さんは、肺胞が壊れて弾力性を失っています。一度壊れた肺胞を治療によって元通りにすることはできません。そのため、COPDの治療では、肺胞の状態をこれ以上悪化させないことが基本となります。当然のことですが、喫煙を続けていると肺胞が破壊され続けてしまいますので、一日も早く禁煙に踏み切るようにします。そのうえで、せきや痰、息切れを軽くするためのお薬を使用します。なお、当クリニックでは、薬物療法だけでなく、必要に応じて在宅酸素療法の処方も行います。
タバコの弊害について
タバコの煙には、200種類以上の有害物質が含まれており、その中の約50種類の物質に発がん性があると考えられています。さらに喫煙は、COPDのリスクだけでなく、肺がんや肺炎、動脈硬化、心筋梗塞、脳出血、脳梗塞などのリスクも高めてしまいます。このような疾患をできるだけ発症させないためにも、タバコを吸う方は、速やかに禁煙されるようお勧めいたします。